アポカリプス・ハイ タケシ・トラバート

2012年08月30日

【ホントにあった『バグダッド・カフェ』】


沙漠
 

あの、一度聴いたら決して忘れられない主題歌「コーリング・ユー」が大ヒットしたこともあり、日本でも映画『バグダッド・カフェ』の名は聞いたことはあるかと思う。皮肉なことに映画とは関係なく、実際あるのです。ただしアメリカではなく中東のど真ん中に……


強引なイラク戦争終結から、かれこれ6年。それでも居座るアメリカ兵。自らがズタズタにした国家を再建国させるため、治安維持の名目掲げて過剰なまでの内政干渉。おかげでイラク市民は「反米」か「親米」の選択に迫られ、選んだところでどちらかから命を常に狙われる始末。

しかし、そんな現状などどこ吹く風と完全武装で“パトロール”しているアメリカ……
「ヤンキー ゴー ホーム!!」
などと叫ばれようが、テロの脅威に常にさらされ、ヤケクソ気分の米兵たちがいくらグチを叩こうが、面子だけは保ちたい超大国のサガ……

かの地がイスラムの土地であるのは重々承知の上で、結局のところ「クリスチャン風味の民主国家樹立」をいつまでたっても夢見るアメリカ。


そんな訳で、今日もアラブ諸国から続々と応援にやってくるイスラム戦士の数は増してゆくばかり。
そんな義勇兵がイラク国内へ密かに入り込むルートのひとつに、隣国シリアの広大な沙漠を横断し、バグダッドへ一直線に延びるハイウェイがある。

周囲の風景は、LAからラズベガスへとつづくアメリカの沙漠とまったくと言ってよいほどおんなじ荒涼さ。


ところでシリアはイラク戦争開戦期にアメリカ政府から「ならず者国家」の烙印を押されたほどの反米国。したがってシリアは例のハイウェイをアメリカ軍などにホイホイ使わせたりはしない。
ただし、そのハイウェイの途中には世界的に有名なパルミラ神殿という観光地があり、一般の外国人は誰でも訪問可能。

ただ、それより先、東へ東へとバグダッドに向けて延びる沙漠の一本道となるとハナシが違ってくる。


そこはもうイスラム志願兵たちの神聖なる領域。


景色は相変わらず火星のごとくどこまでも殺風景。
忘れた頃に寒村があらわれるのだが、それもハイウェイからは離れた場所。
路肩に面した文明といえば、唯一、寂れた給油所を兼ねた軽食堂のみ。


ぼくがその文明のかけらと遭遇したとき、食堂には長距離トラックの運転手たちと、イラクへこれから乗り込もうとしているアラブの猛者どもだけであった。
ところが驚いたのはそれではない。
メシをふるまっていたのはなんと、ド派手でチグハグなベールをネズミ小僧よろしく被った初老の女将。それも敬虔なイスラム教徒らしからぬ仕草で、こともあろうに歌い踊りながら、次から次へとアラブ風サンドイッチをこしらえては、古新聞の切れ端に包んで客に投げて寄こすのである。

さすがに“聖戦”に向かうアラブ多国籍兵士たちもその光景には度肝を抜かされたのか、呆気にとられたまま飛んでくるメシをキャッチしているのだ。

おそるおそる女将に近づき、何が楽しくて歌うのさ、と訊けば、
「ラジオが壊れてるのさ、だから代わりにアタイが歌ってあげてんのよ」
と、見え透いた嘘ハッタリで煙に巻いてくる。今が稼ぎ時とばかりルンルン気分なのは見え見えであるのだが、どうもにくめない。

薄汚れた店内では父を亡くした少女がせっせとファンキーな母に倣ってメシ代徴収に大忙し。

イラク国境まではもう少し。

外は見渡す限り何もなし。
シリア砂漠のど真ん中にポツンとたたずむサーカス小屋のような『バグダッド・カフェ』



と、すでにお分かりかもしれないが、これを書いたのは数年前のこと。

改めて「殉職」された山本さんのご冥福をお祈りします。また、今回、日本人が被害者のひとりであったことからにわかシリア報道が続いていますが、ひとの「記憶の半減期」はあまりに短い。山本さんという日本人フリージャーナリストの死によって、一時的ではあれスポットが当てられた「シリア」。かの地の紛争はそう簡単には終わらない。今後ともマスも個人も大きく報道し続けてゆけるかどうか、メディアの真価が問われる。
(まずは身近な問題から、といったお決まりの文句は通用しない時代。そして・・・)




posted by タケシ・トラバート at 21:25| タケシ・トラバート

2012年08月26日

もう少々症消


しばらく 空白期間が つづいておりまして
失礼!

もうしばし! チルアウト ネセサリー

更新もうしばらく おまちくださ・い

それまでは、、、リッキー・リー・ジョーンズによるディランの名カバーを
数十回ほどお聴きになられて
ホームシックという仮面をかぶり
視床下部と小脳メルトダウンしてる筆者のことはしばらく神棚に〜(笑)


posted by タケシ・トラバート at 05:35| ブログ記事